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寒暖差疲労で肌もお疲れ気味! 体を芯から癒す、細胞イキイキ入浴法

2020.12.11

寒い冬は、毎日のお風呂が「美肌」の鍵。
いよいよ本格的な寒さを感じる季節になりましたが、冷えや乾燥から、いつもよりもお手入れのしにくさや、不調を感じている方もいるかもしれません。

そこで今回は、自律神経の調節に詳しい、眠りとお風呂の専門家として活躍する小林麻利子さんに、イキイキとした美肌へ導く入浴法を教えていただきました。寒い季節こそ、体を芯から癒してくれるお風呂タイムが「美肌」にとっては重要です!

寒い日が続き「なんだかいつもより疲れているな…」その状態、「寒暖差疲労」かもしれません。
私たちの体の深部体温は、おおむね37度をキープできるよう、自律神経の働きで調節されています。
寒ければ、体温が下がらないように血管の平滑筋の交感神経が刺激され、末端の血管がキュッと収縮します。また、暑ければこれ以上体温が上がらないように、平滑筋の交感神経が低下し、末端の血管が拡張して放熱します。

ですから、寒い季節に屋外から暖かい室内に入ると、その温度差に合うように体は変化しようとするわけです。たとえば、屋外の気温が8度くらいで、室温が25度くらいだとすると、その差は17度。この差はとても大きいです。

そこで体は気温差に適応しようと体温を調節します。気温差が激しいほど多くのエネルギーを消費するので、疲労が蓄積してしまうのです。さらに寒さによってそもそも血液循環が悪くなれば、体温調節も適切にできません。

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湿度が低い冬。物理的に乾燥しやすい上に、寒暖差疲労は、肌細胞にも悪影響を。
皮膚の下の毛細血管の流れが良ければ、それだけ保湿力が高くなります。そして新陳代謝も活性化するのでターンオーバーも正常に働き、表面に上がってきた角質細胞が剥がれ、栄養分が肌細胞の細部にまで届くようになり、くすみや肌あれを防ぐことができます。

ですが、こうした温度調節がうまくいかなくなってしまうと、血管の流れも悪い状態になるので、肌細胞の保湿力もダウン。乾燥しやすくなり、肌あれやくすみ、ゴワゴワとした肌質などにつながります。

また寝る前に、寒さだけでなく悩み事や仕事などで交感神経が刺激されていると、体の深部体温が適切に下がらず、眠りの質が悪くなってしまいます。そうすると、皮膚の修復に必要な成長ホルモンも適切に分泌せず、肌細胞の生まれ変わりも遅くなってしまいますので、寝る直前には仕事やスマホゲームなども避け、入浴やここちよい音楽などでリラックスできる工夫をしたいものです。

細胞イキイキ入浴方法で、寒さによる疲れを癒し、美肌力もアップ!
①「半身浴という選択肢はなし」と言いたいくらい、全身浴がオススメ!
自律神経の乱れというのは、本来、副交感神経が優位にならなければならない夜に、寒さ、温度差、考えごと、仕事などといった刺激によって、交感神経が刺激されてしまうことが原因です。それが肌や体の疲れにつながります。疲労というのは脳疲労がほとんど。そのため、入浴によって副交感神経を優位にする作用がとても大事です。

中にはシャワーでサッとすませてしまう方もいますが、シャワーは圧がかかる「刺激」だと言えます。お湯に浸かって温熱作用を体で得て浮力を感じる方が、グッと肌細胞にも自律神経にも良いのです。

また、お湯は深ければ深い方が浮力を感じ、体の筋肉が弛緩して脱力しやすくなりますし、さらに、お湯に浸かっている体の面積が広い方がそれだけ温熱作用が高まり、気持ち良くリラックスできます。

たっぷりのお湯に肩までしっかり浸かる全身浴をすることで、体がお湯にぷくっと浮いて、地上では考えられないほどの脱力感があり、短い温浴時間でも適切に体温を上昇させることができます。副交感神経が刺激されると手足末端だけでなく皮膚表面の血流が良くなりますので、肌細胞の保湿力も高くなり、イキイキとした美肌が期待できます。

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②「40度15分」の入浴が効果的(炭酸ガスを入れるなら温熱作用が高いので10分)
寒暖差の問題だけでなく、テレワークや寒さなどで外出頻度が減少したことにより、運動量が減り、1日の深部体温のメリハリが少なくなることで、眠りの質が低下している方が多いようです。通常、21時頃から朝4時頃にかけてどんどん低下していく深部体温が、うまく下がらなくなってしまうのです。

そこでオススメしたいのが、睡眠前にしっかり深部体温を上昇させることができる「40度15分」の入浴。これは研究でもその効果が分かっています。

お湯の温度は、40度よりも低ければ深部体温を上昇させるまで時間がかかりますし、逆に41度以上だと交感神経が刺激されてしまいます。また長くお湯に浸かりすぎると、角質層にある天然保湿因子も流れ出てしまい、乾燥肌が加速してしまいます。

「40度15分」の入浴なら、体の深部体温が一時的に上昇し、その後急降下。そうすると眠りの質がグッと良くなります。
眠りの質が良くなることで、皮膚の修復に必要な成長ホルモンが適切に分泌され、肌細胞の生まれ変わりも良好に行われるようになります。

③時間がない場合は、足湯をしてベッドへ直行
時間がなくて湯船に浸かれない時には、せめて足湯をして足の甲を温めましょう。42度くらいのお湯に10分ほど足を浸け、靴下を履いてベッドへ直行してください。

深部体温は上がりませんが末端の血管がとても良い状態になるので、足から放熱し、深部体温を適切に下げることができます。その過程で副交感神経も刺激され、肌細胞もイキイキとした状態に整っていきます。

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もっと冬をイキイキ美しく過ごすためのワンポイントアドバイス
①冬の体臭ケアで快適に
冬は汗をかかない方が圧倒的に多いです。ですが、汗をかかなければ汗腺が働きにくくなります。汗腺と血管は関係していて、汗は血液からできています。通常、汗腺が血管から血漿(けっしょう)を受け取り、におい物質は血管に戻して、無味無臭の水分だけを汗として排出します。

しかし血流が悪く、また汗腺が働かない冬は、こうした機能がうまく働かなくなります。そのため、たとえば寒いホームから暑い電車内に入った時など、汗が「ジュワッ」と出る時ににおいを感じやすくなります。
そうならないためにも、毎日の入浴でしっかり汗腺を働かせて、血流を良くすることが大事です。

②外出時は冷えやすい部位を効率的に保温
耳は毛細血管が細くて寒さを感じやすいところです。ですから外へ行く時は、耳当てが本当にオススメです。マフラーをするよりも、耳を温めて血流を良くすることで体感温度は上がります。

また、足首も筋肉・脂肪が少なく寒さを感じやすい部分です。レッグウォーマーをつけたり、ブーツを履いたりと、足首を冷やさないようにすることも大事な保温ポイントです。

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③手足の冷えを防いで、眠りの質をアップ
昼間に手足が冷たいと自分は冷え性だと思ってしまう方も多いですが、その多くは単なる体の反応です。寒いから血管が収縮して、外に熱が逃げないようにしているだけです。

むしろ、問題は寝る前の手足の冷たさ。これだけは入浴とその後の過ごし方を工夫することでだいぶ良くなります。そうすることで眠りの質が上がり、自律神経の働きが良くなれば、日中に大きな温度差があっても、肌や体が不調になることも少ないと言えます。

教えてくれたのは

小林麻利子さん(文・監修)

眠りとお風呂の専門家

「美は自律神経を整えることから」を掲げ、生活習慣改善サロン「Flura」を開業。科学的根拠のある最新のデータ、研究をもとに、睡眠や入浴、運動など日々のルーティンを見直すことで美人をつくる“うっとり美容”を指導。
生活に合った無理のない実践的な指導が人気を呼び、2,000名以上もの悩みを解決。テレビやラジオなど、多くのメディアで活躍中。近著に『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)、『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)。

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